背骨のしくみ

年齢とともに起こる変化

背骨の加齢変化は「椎間板」から始まる

実は、背骨の加齢変化は20代から始まっています。

意外な事実: 椎間板の変化は、思っているより早く始まります。しかし、ゆっくり進むため、症状が出るのは何十年も後になることが多いです。

椎間板の変化の流れ

ステップ1:髄核のみずみずしさが失われる(20代〜)

椎間板の中心にある 髄核(ゼリー状の部分) が、少しずつ 水分を失って いきます。

→ みずみずしさが失われ、支持性(支える力)が低下 します

ステップ2:椎間板の高さが減少する

髄核が縮むと、椎間板全体の 「厚み」が減って いきます。

身近な例で言うと: 皆さんも、若い頃に比べて身長が減少していることを認識していると思います。 その大きな要因が、椎間板の加齢変化 です。椎間板が全部で23個ありますから、1つあたり1〜2mm縮むだけで、身長は2〜4cm低くなります。

ステップ3:線維輪が膨らむ

椎間板の高さが減ると、残った線維輪(外側の固い部分) が行き場を失い、

椎体(骨)の縁より膨らむ ようになります

椎間板の加齢変化 — 若い椎間板と高さが減り膨隆した椎間板の比較

椎間板が膨隆して脊柱管を圧迫している様子

ステップ4:骨棘(こつきょく)ができる

線維輪が膨らんで椎体の縁を刺激すると、

骨も反応して出っ張る ようになります

→ これが 「骨棘(こつきょく)」 です

骨棘は、神経を圧迫する原因の1つになります。

骨棘が形成された腰椎の側面図

背骨のどの部分が変化しやすいか

部位 動きやすさ 加齢変化
頚椎(首) 大きく動く 変化しやすい
胸椎(背中) 肋骨につながっているため動きが少ない 変化しにくい
腰椎(腰) 体重の負荷がかかって大きく動く 最も変化しやすい

大きく動かす部分ほど、加齢変化が起こりやすい という原則があります。

そのため、頚椎(首)腰椎(腰) に問題が起きやすいのです。

なぜ脊柱管が狭くなるのか — まとめ

年齢とともに、以下のような変化が 重なって 起こります:

部位 若いとき 年齢を重ねると
椎間板 水分が多く、弾力がある 水分が減り、高さが減少する
骨(椎体) しっかりしている 骨棘(こつきょく)という出っ張りができる
椎間関節 滑らかに動く 変形し、肥厚する
靭帯(黄色靭帯) 薄くてしなやか 厚くなり、硬くなる
脊柱管 広い 狭くなる ← これが「狭窄症」

これらの変化が重なると、脊柱管が狭くなり、中を通る神経が圧迫されます。

これが 「腰部脊柱管狭窄症」 です。 ちなみに、同様の変化が頚椎で起こると、頚髄(頚部の脊髄)が圧迫されて、頚椎症性脊髄症と呼ばれる状態になります。