SCS療法 詳細ガイド

Part 0: あなたはどのタイプ?

SCSの適応には3つの患者群があります。ご自身がどれに該当するかを理解すると、医師との相談がスムーズになります。

① 手術対象が不明確な方

特徴 説明
状況 まだ脊椎手術を受けていない
痛みの特徴 神経性の痛み(しびれ、放散痛)が主体
画像所見 画像と症状が一致しない、または多椎間の変性がある
手術の判断 「明確な手術対象がない」「手術で治せるか不明」と言われた
SCSの位置づけ 手術の代わりとなる治療選択肢(妥協案ではない)
タイミング 保存療法後6ヶ月〜2年が最適(慢性化する前)

② 手術は可能だが、負担やリスクが過大な方

特徴 説明
状況 手術で治せる病態はあるが、2椎間以上の固定が必要
患者さんの状態 高齢・合併症があり手術リスクが高い
SCSの位置づけ 手術の代わり、または手術と並行して検討
重要なポイント 固定椎間数が増えるほど、SCSの優位性が高まる

③ 手術後も痛みが残る方

特徴 説明
状況 すでに脊椎手術を受けた
痛みの特徴 手術後も神経性の痛みが残っている
画像所見 構造的には改善しているのに痛みが続く
医学用語 脊椎手術後疼痛症候群
SCSの位置づけ 手術後疼痛に対する有効な治療法(成功率60〜80%)
タイミング 術後3〜6ヶ月経過して痛みが続く場合

どのタイプかわからない方へ

以下の質問で確認してください:

  1. 「脊椎の手術を受けたことがありますか?」

    • はい → ③ 手術後も痛みが残る方の可能性
    • いいえ → ①または②の可能性(次の質問へ)
  2. (手術を受けていない方)「医師から『手術が難しい』『明確な手術対象がない』と言われましたか?」

    • はい → ① 手術対象が不明確な方の典型
    • いいえ → 次の質問へ
  3. (手術を受けていない方)「2椎間以上の固定術が必要と言われていますか?」

    • はい → ② 大きな固定術が必要な方の可能性
    • いいえ → まずは手術の適応を確認

重要な考え方:

3つのタイプはすべてSCSの正当な適応です。①の方へのSCSは「手術ができない人の妥協案」ではなく、「手術で治せない神経性痛に対する有効な治療選択肢」です。②の方では、多椎間固定のリスク(隣接椎間障害、感染、長期入院など)とSCSのメリットを比較検討することが重要です。

手術前にSCSを検討するという考え方について — 監修医師の見解:

手術を受ける前にSCSを主要な治療選択肢として検討するという考え方(①・②の方)は、監修医師の臨床経験と最新の医学的エビデンスに基づいた治療方針です。特に②の多椎間固定が必要な方では、固定椎間数が増えるほど術後合併症のリスクが高まるため、SCSの相対的な優位性が増します。この考え方は、日本国内でも監修医師の講演活動などを通じて徐々に広まりつつありますが、現時点ではすべての医療機関や医師が同意する標準的な治療方針ではありません

医療機関や担当医によって治療方針は異なる場合があります。このページの情報を参考に、ご自身の担当医と十分に相談されることをお勧めします。