SCS療法 詳細ガイド
Part 4: MRI検査について(詳細)
MRIとは? — なぜ金属が問題になるのか
MRI(磁気共鳴画像)は、非常に強い磁場と電波を使って体の内部を画像化する検査です。レントゲンやCTと異なり放射線を使わないため、繰り返し検査しても被ばくの心配がありません。脊椎や神経の状態を詳しく調べるのに特に優れた検査です。
しかし、MRIは非常に強い磁石を使うため、体内に金属が入っている場合には注意が必要です。金属製のインプラントがあると、以下のようなリスクがあります:
- 発熱 — 金属部品が磁場のエネルギーを吸収して熱くなる可能性
- 移動・変形 — 強い磁力で金属が引っ張られる可能性
- 画像の乱れ — 金属の周囲で画像が正しく映らない
このため、MRI検査室には通常、金属製の物の持ち込みが禁止されています。
SCSとMRI — 安全に検査を受けるために
SCSの本体(IPG)やリード(電極線)には金属が使われていますが、各メーカーはMRI検査に対応できるよう、特別な素材や設計を採用しています。現在販売されている主要なSCS機器は、一定の条件のもとでMRI検査が受けられるようになっています。
ただし、SCSが入っているからといって、どこの病院でも自由にMRI検査を受けられるわけではありません。 以下の理由から、必ず事前の確認と準備が必要です:
- MRI装置にもさまざまな種類があり、SCS機器との組み合わせによって撮影できる条件が異なります
- 放射線科の医師や技師がSCS患者のMRI撮影に慣れている必要があります
- 検査前にSCSをMRIモードに切り替えるなどの事前準備が必要な場合があります
最新機器のMRI対応状況
現在の主要なSCS機器は「条件付きMRI対応」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1.5T MRI | 主要3社とも、現行機種の多くで全身撮影が条件付きで可能 |
| 3.0T MRI | メドトロニック最新の充電型機種が全身3.0T MRI条件付きに対応。他社は現時点で1.5Tまで |
| 撮影時間 | 制限あり(機種による) |
| 事前設定 | MRIモードへの切り替えが必要 |
大切なポイント: 同じメーカーの機器でも、本体の型番、リードの種類、リードの位置によってMRI撮影の条件が異なります。MRI検査が必要になったら、必ずSCSを埋め込んだ病院に確認してください。病院を受診する際には、**SCS手帳(患者カード)とコントローラ(リモコン)**を必ず持参してください。手帳には機器の型番やリードの情報が記載されており、MRI検査の可否を判断するために不可欠です。
MRI検査を受けるときの流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① | MRI検査が必要になる |
| ② | SCSを埋め込んだ病院に連絡 |
| ③ | 機器の情報を確認(型番、設定) |
| ④ | MRI施設に情報を提供 |
| ⑤ | SCSをMRIモードに設定(必要に応じて) |
| ⑥ | MRI検査を実施 |
| ⑦ | 検査後、通常モードに戻す |
注意点
- 自己判断でMRI検査を受けない
- 患者カードを常に携帯
- 緊急時でも、まずSCS情報を伝える