脊髄刺激療法(SCS)
SCSとは
正式名称
SCS は Spinal Cord Stimulation(スパイナル・コード・スティミュレーション)の略で、日本語では 「脊髄刺激療法」 と呼ばれます。
一言でいうと
背骨の中の脊髄に、弱い電気刺激を送ることで、痛みを和らげる治療法 です。
心臓のペースメーカーに似た小さな機械を体に埋め込み、そこから細い電線(リード)を通じて脊髄に電気刺激を送ります。
SCSの位置づけ
SCSが検討される場面は、大きく 3つ あります:
① 手術対象が不明確な場合
- 保存療法(薬・注射など)を十分試したが改善しない
- 画像では狭窄があるが、それが症状の主な原因か不明確
- 神経性の痛み・しびれが主体で、構造的な問題が少ない
手術で明確に治せない痛みに対して、SCSを検討
② 手術は可能だが、負担やリスクが過大な場合
- 多椎間(2椎間以上)にわたる固定が必要
- 高齢や合併症があり、大きな手術のリスクが高い
- 固定術の長期的な問題(隣接椎間障害など)を避けたい
手術の代わり、または手術と並行してSCSを提案(固定椎間数が多いほど、SCSの優位性が高まります)
③ 手術後も痛みが残る場合
- 手術で構造は改善したが、神経性の痛みが続く
- 再手術の効果が期待しにくい、またはリスクが高い
手術後の痛みに対してSCSを検討
いずれの場合も、まず 約1週間のトライアル(お試し) で効果を確認してから本植込みを判断します。
重要なポイント:
SCSは「手術のあきらめ」ではありません。除圧で治る方には除圧を、1椎間の固定なら固定を勧めます。しかし 多椎間の固定が必要な場合や、手術リスクが高い場合 には、SCSは手術に代わる有力な選択肢です。「最後の手段」ではなく、早期に検討すべき第三の選択肢 です。