脊髄刺激療法(SCS)
本植込み手術の流れ
トライアルで効果があった場合
トライアルで効果が確認できたら、本植込み手術を行います。
サージカルトライアルの場合 は、トライアル時に植込んだリードをそのまま使い、刺激装置本体(ジェネレーター)を追加で埋め込みます。パンクチャトライアルの場合 は、トライアルのリードを抜去した後、改めて新しいリードと刺激装置本体を植込みます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① | 手術室で麻酔 |
| ② | 恒久的なリードを背中から挿入(サージカルトライアルの場合は既存リードを使用) |
| ③ | 刺激装置本体を腰部、臀部、またはお腹の皮下に埋め込む |
| ④ | リードと本体を接続 |
| ⑤ | 動作確認 |
| ⑥ | 手術終了(約1〜2時間) |
麻酔について
SCSの手術では、以下の麻酔方法が使われます:
| 麻酔方法 | 特徴 |
|---|---|
| 局所麻酔 | 意識がある状態で行う。術中に刺激の位置確認ができる |
| 局所麻酔+鎮静 | 軽い鎮静剤を併用し、リラックスした状態で行う |
| 全身麻酔 | 完全に眠った状態で行う |
どの麻酔方法を使うかは、施設や医師の方針によって異なります。 麻酔について気になる方は、担当医にお尋ねください。
入院期間
- トライアル:約1週間(トライアル方法による)
- 本植込み:5〜7日程度(施設により異なる)
手術のリスク
どんな手術にもリスクがあります。大規模研究(Cameron 2004, 2,700例)では、以下の合併症が報告されています:
| リスク | 頻度 | 説明 |
|---|---|---|
| リードの位置ズレ | 13.2% | 刺激の場所が変わる → 再手術で調整 |
| リードの断線 | 9.1% | 刺激が消失する → リード交換 |
| 感染 | 3.4% | 抗生物質治療、場合により機器の除去 |
| 不快な刺激 | 2.4% | 設定調整で対応 |
| 電池の早期消耗 | 1.6% | 本体交換(小手術) |
| 機器不良 | 1.3% | 機器交換 |
| 髄液漏 | 0.3% | 安静で回復することが多い |
注意: この数値は2004年時点のデータです。現在の機器や手術技術は進歩しており、合併症の頻度は改善しています。
また、長期的には以下のようなことが起こりえます:
| リスク | 対処 |
|---|---|
| 効果の減弱 | 刺激設定の調整、刺激モードの変更 |
| 電池の寿命 | 充電式は10年以上、非充電式は数年で本体交換(小手術) |
これらの合併症が起きないよう十分注意して手術を行いますが、100%の安全を保証できる手術はありません。合併症のリスクと、痛みを和らげるメリットを比較して判断することが大切です。
術後の安静
リードの位置がずれないよう、術後はできるだけ腰を大きく動かさないよう安静にしていただきます。安静期間は施設により異なりますが、数日〜1週間程度です。