検査と診断

診断的ブロック注射 — 痛みの「犯人捜し」

画像検査で原因がはっきりしない場合、診断的ブロック注射という方法があります。痛みの原因と疑われる場所に局所麻酔薬を注射し、痛みが一時的に消えるかどうかを確認するものです。

椎間関節ブロック(内側枝ブロック)

  • 椎間関節(背骨の後ろ側の小さな関節)が痛みの原因かどうかを調べます
  • 1回のブロックでは偽陽性率(本当は原因でないのに「原因だ」と出る率)が27〜63%
  • そのため、2回のブロック(異なる麻酔薬を使用)が推奨されています(Cohen 2020年)
  • 2回とも効果があれば、高周波熱凝固法(RFA)という治療に進むことができます

仙腸関節ブロック

  • 骨盤の関節が痛みの原因かどうかを調べます
  • 身体診察だけでは診断が難しいため、3つ以上の検査を組み合わせることが推奨されています

ブロック注射の限界

注射の種類 問題点
椎間関節ブロック 1回のブロックでは偽陽性率が高い。「純粋な」椎間関節痛はわずか15%
仙腸関節ブロック 痛みの広がり方が一定でなく、診断が難しい
椎間板造影検査 痛みのない人でも「痛い」と反応する場合がある
選択的神経根ブロック 多椎間に病変がある場合に、どの神経が原因か絞り込むのに有用

ブロック注射は有用なツールですが、「これで原因が100%わかる」というものではありません。結果は総合的な臨床所見と合わせて解釈する必要があります。