あなたに合った運動は?
なぜ痛みのタイプで運動を変えるのか
「方向性の好み」という考え方
腰痛の世界には、**「方向性の好み」(Directional Preference)**という重要な概念があります。
簡単に言うと:
腰痛には**「この方向に動かすと楽になる」**という方向があり、それは人によって違う。
研究によると、慢性腰痛の患者さんの**60〜85%**に方向性の好みがあることがわかっています(Werneke 2011年、Yarznbowicz 2018年)。
そして、方向性の好みが見つかった患者さんは、見つからなかった患者さんと比べて:
- 痛みが2.0ポイント少ない(10点満点スケール)
- 生活機能が3.4ポイント良い
「間違った方向」は症状を悪化させる
方向性の好みの反対方向に動かすと、痛みは**「末梢化」**します。つまり、痛みが腰から足のほうへ広がっていきます。これは症状が悪化しているサインです。
| 動かす方向 | 痛みが「中心化」する | 痛みが「末梢化」する |
|---|---|---|
| 前に曲げる | 一部の人に効く | 別の人では悪化 |
| 後ろに反る | 一部の人に効く | 別の人では悪化 |
| 横に動かす | 一部の人に効く | 別の人では悪化 |
「中心化」とは、痛みが足やお尻から腰の中心に戻ってくること。これは良いサインです。「末梢化」はその逆で、痛みが足のほうへ広がること。これは悪いサインです。