脊髄刺激療法 SCS

臨床試験で報告されている効果

臨床試験と実際の診療の違い: 以下は、厳格な基準で患者さんを選んだ臨床試験の結果です。実際の診療では、患者さんの状態が多様なため、結果が異なることがあります。臨床試験の結果は「条件が整った環境での成績」と考えてください。

手術を受けていない慢性腰痛へのSCS — 最新の研究動向

以前、SCSは主に「腰の手術をしたが脚の痛みが取れなかった方」(FBSS)を対象としていました。しかし近年、手術を受けたことがない慢性腰痛(非手術性慢性腰痛) に対するSCSのエビデンスが蓄積されています。

質の高い臨床試験(無作為化比較試験)で、手術歴のない慢性腰痛患者に対してSCSの有効性が報告されています。これらの研究では、従来の治療と比較して、多くの患者さんで痛みの改善が得られたことが示されました。

なぜこの研究動向が重要なのか

これまで「SCSは手術後の痛みに使うもの」と考えられてきましたが、近年の研究は、手術を一度も受けていない慢性腰痛にもSCSが有効である可能性を示しています。

治療の全体像のページで解説した「治療の階段」でいえば、ステップ1〜4で十分な改善が得られない場合に、SCSを検討するという選択肢が、研究によって支持されるようになってきています。

ただし: 臨床試験は厳格な参加条件を満たした患者さんを対象としています。実際の外来では、効果が異なる可能性があります。また、SCSの臨床試験の多くは機器メーカーの資金提供で行われています。

効果が得られない場合

  • 臨床試験でも、一定の割合の方は十分な改善が得られていません
  • 試験刺激で効果が出ない場合もあります — その場合は別の治療を検討します
  • 効果が出ても、痛みが完全になくなるわけではありません — 痛みを「和らげる」治療です