「まず病院で何をするの?」— 診察から検査まで

はじめて受診するとき、病院で何をされるのかがわかっていれば、少し気が楽になります。

クリニックの受付で笑顔のスタッフに迎えられる患者さん はじめての受診も、まずは「お話を聞かせてください」から始まります。


前回は、脊柱管狭窄症の典型的な症状と、受診の目安についてお話ししました。今回は、実際に病院に行ったときの初診から検査までの流れを、順を追ってお伝えします。


穏やかな雰囲気の中、医師が患者さんの話に耳を傾けている問診の様子

まず、何科に行けばいい?

「足が痛い」「腰が痛い」というとき、受診するのは整形外科です。

内科やかかりつけ医に相談しても構いませんが、脊柱管狭窄症の診断と治療は整形外科が専門です。紹介状がなくても受診できます。

近くに脊椎を専門とする整形外科があれば、そちらがより望ましいでしょう。脊椎専門の医師は、この病気の診断と治療に最も経験が豊富です。


ステップ1:問診(まずはお話を聞かせてください)

最初に、医師があなたの症状について詳しくお聞きします。よく聞かれるのは、こんな質問です。

  • いつから症状が出ましたか?
  • どこが痛いですか?しびれますか?
  • どうすると痛みが出ますか?(歩行時?立っているとき?)
  • 休むと楽になりますか?
  • 連続で何分(何メートル)歩けますか?
  • 排尿や排便に問題はありませんか?
  • これまでにどんな治療を受けましたか?

前回ご紹介した「連続歩行距離の記録」をお持ちいただくと、ここで役に立ちます。

問診のコツ

  • 遠慮せずに、困っていることをそのまま伝えてください
  • 「こんなこと聞いていいのかな」と思うことでも大丈夫です
  • メモを持参すると、聞き忘れを防げます
  • ご家族に付き添ってもらうと、客観的な情報が加わり助かります

ステップ2:身体診察(お体を診させてください)

医師が患者さんの膝の反射をやさしく確認している身体診察の様子

問診のあと、医師が実際にお体を診察します。

何をチェックするか

診察項目 何を見ているか
歩き方の観察 歩行のバランス、足の上がり具合
足の感覚テスト 触った感じ、温度感覚の左右差
筋力テスト 足首を上げる力、つま先立ちの力
反射テスト 膝やアキレス腱をハンマーで叩く
腰の動き 前屈・後屈での痛みの変化
SLRテスト 仰向けで足を上げ、神経の状態を確認

痛い検査はほとんどなく、触診や足の動きの確認が中心です。ゆったりした服装で来院されると、診察がスムーズです。


ステップ3:画像検査(中を見てみましょう)

身体診察で脊柱管狭窄症が疑われた場合、画像検査を行います。

レントゲン(X線)

最も一般的な検査で、ほとんどの場合まず最初に撮影します。

  • わかること:骨の変形、椎間板の狭小化、すべり症の有無
  • 所要時間:5分程度
  • 痛み:なし(立ったまま撮影するだけ)

レントゲンでは神経の状態は見えません。骨の大まかな状態を確認するための検査です。

MRI(磁気共鳴画像)

MRI装置の中で横になっている患者さんと、窓越しに手を振る技師さん

脊柱管狭窄症の診断で最も重要な検査です。

  • わかること:脊柱管の狭さ、神経の圧迫の程度、椎間板や靭帯の状態
  • 所要時間:20〜30分
  • 痛み:まったくありません

注射も薬も使わず、横になっているだけの検査です。ただ、次のことは知っておいてください。

  • 「ガンガン、カンカン」という大きな機械音がします。ヘッドフォンや耳栓を用意している病院が多いです
  • 筒状の狭い装置の中に入ります。閉所恐怖症の方は事前にお申し出ください(開放型MRIの施設もあります)
  • 20〜30分間、できるだけ体を動かさないようにします
  • 金属は持ち込めません。アクセサリー、時計、入れ歯、磁気カードなどは外します。心臓ペースメーカーがある方は必ず事前にお伝えください

CT(コンピュータ断層撮影)

骨の詳細な形状を確認したいときに追加で行うことがあります。

  • レントゲンより詳しく骨が見える
  • 所要時間は5〜10分
  • 手術の計画を立てるときに使うことが多い

検査結果の見方

MRIの画像を見せてもらうと、脊柱管が狭くなっている場所がわかります。

医師は通常、画像を見せながらこんな説明をします。

「ここに白く映っているのが神経です。そして、この部分で神経が押されているのがわかりますか?」

遠慮せずに質問してください。「もう一度見せてもらえますか?」「自分のMRI画像のコピーをもらえますか?」とお願いしてかまいません。


大切なこと:画像と症状は必ずしも一致しない

前回もお伝えしましたが、MRIで脊柱管が狭く見えても、症状が軽ければすぐに手術ということにはなりません。

逆に、画像上はそれほどでもなくても、強い症状が出ている場合は積極的な治療を検討することがあります。

画像は参考情報の一つです。症状、生活への影響、これまでの治療経過をすべて合わせて、治療方針を考えます。


初診のあと、どうなるか

痛みの重症度に応じた治療の流れ:軽症・中等症・重症の3段階

初診で検査まで終わると、大まかな診断がつきます。その後の流れは、症状の程度によって異なります。

症状の程度 初診後の一般的な流れ
軽症 まずは薬やリハビリで様子を見る(保存療法)
中等症 保存療法を開始しつつ、経過観察のため定期受診
重症(排尿障害、急な筋力低下) 速やかに追加検査、手術の検討

多くの方は、まず保存療法から始めます。保存療法について詳しくは、次回お話しします。


まとめ

  • 整形外科(できれば脊椎専門)を受診する
  • 問診→身体診察→画像検査(レントゲン+MRI)が基本の流れ
  • MRIは痛くない検査で、神経の状態を直接見られる
  • 治療方針は画像だけで決めず、症状と合わせて判断する
  • 初診では遠慮せず質問を。メモやご家族の同伴も有効

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