「痩せたら楽になる?」— 体重・姿勢と日々の工夫

体重を少しずつ落とすこと、腰をそらさないこと。今日からできる腰の負担の減らし方をお話しします。


「体重を落としたら、腰は楽になりますか?」

外来でよくいただく質問です。答えは「助けにはなります。ただし、無理は禁物です」。

今回は、体重とのつき合い方と、毎日の姿勢や動作で腰の負担を減らすコツをお伝えします。

腹八分目の和やかな食卓を囲む年配のご夫婦 腹八分目の食卓から。


体重と腰の関係

腰は上半身の重みを支えています。体重が増えれば、その分、腰や背骨にかかる負担も増えます。適正な体重に近づけることは、腰にとってプラスです。

狭窄症の場合、体重にはもうひとつの影響があります。背骨の中の神経の通り道(脊柱管)には、もともと少し脂肪があります。体重が増えると、この通り道の中の脂肪も増えて、神経を圧迫する一因になることがあります。

減量すると、外から腰にかかる負担が減り、通り道の内側にも少し余裕が生まれることが期待できます。実際、体重を落としてしびれや歩きにくさが和らぐ方もいらっしゃいます。

ただし、急激なダイエットは禁物です。極端な食事制限をすると筋肉まで落ち、かえって腰を支える力が弱くなることがあります。

少しずつ、無理なく進めてください。腹八分目と、前回お話しした軽い運動の組み合わせをおすすめします。


腰にやさしい姿勢と動作

日常の動きを少し変えるだけで、腰の負担は大きく減らせます。

場面 工夫
重い物を持つ 腰を曲げず、ひざを曲げて、体に近づけて持ち上げる
台所仕事 片足を低い台に乗せると、腰がそらず楽
立ち仕事 同じ姿勢を続けず、ときどき足踏みや前かがみで休む
掃除・庭仕事 長時間続けず、こまめに休憩を

どの場面にも共通するのは、腰をそらさないことと、同じ姿勢を続けないことの2つです。


全部でなくて大丈夫

こうした工夫を一度に全部やろうとすると、疲れてしまいます。

まずは「重い物はひざを曲げて持つ」、これひとつだけでも構いません。できることから少しずつ、暮らしに取り入れていきましょう。


まとめ

  • 適正体重は腰の味方。でも急激なダイエットは逆効果
  • 体重が減ると、神経の通り道の脂肪も減ることがある
  • 重い物は、ひざを曲げて体の近くで持つ
  • 同じ姿勢を続けず、こまめに休む
  • 全部やろうとせず、できることをひとつから