アセトアミノフェンは、胃や腎臓への負担が少なく、ご高齢の方にも使いやすい痛み止めです。一方で、腰痛に対する効果は、研究では期待ほど確認されていません。長く飲むときにいちばん気をつけたいのは、肝臓と、市販薬との重ね飲みです。
アセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)は、腰痛や関節の痛みで長く処方されることの多いお薬です。このページでは、どんなお薬か、研究でわかっていること、長く飲むときの注意、飲んでいる方が次の診察で確かめたいことをまとめました。
胃や腎臓への負担が少なく、ご高齢の方にも使いやすいアセトアミノフェン。腰痛に対して研究でわかっていること、長く飲むときの肝臓の注意と市販薬との重ね飲み、次の診察で確かめたいことを解説します。
アセトアミノフェンは、胃や腎臓への負担が少なく、ご高齢の方にも使いやすい痛み止めです。一方で、腰痛に対する効果は、研究では期待ほど確認されていません。長く飲むときにいちばん気をつけたいのは、肝臓と、市販薬との重ね飲みです。
アセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)は、腰痛や関節の痛みで長く処方されることの多いお薬です。このページでは、どんなお薬か、研究でわかっていること、長く飲むときの注意、飲んでいる方が次の診察で確かめたいことをまとめました。
アセトアミノフェンは、熱を下げ、痛みを和らげるお薬です。腰痛症や変形性関節症の痛みにも使うお薬として承認されています[1]。
ロキソプロフェン(ロキソニン)やセレコキシブ(セレコックス)などの消炎鎮痛薬(NSAIDs)と名前が並ぶことが多いのですが、同じ仲間ではありません。炎症をおさえる働きは弱く、そのぶん胃や腎臓への負担が少ないのが特徴です。
消炎鎮痛薬は、長く飲むと胃の荒れや腎臓の働きの低下が心配になります。持病で血液をさらさらにするお薬を飲んでいる方や、腎臓の働きが落ちている方では、なおさらです。
アセトアミノフェンは、こうした心配が比較的少ないため、ご高齢の方や持病の多い方で、最初に選ばれることがよくあります。消炎鎮痛薬については、ロキソプロフェン・セレコキシブの動画と解説にまとめています。
日本では長いあいだ、痛みに使う量は1回300〜500mg、1日900〜1,500mgまでと決められていました[2]。海外で使われている量より少なく、「飲んでも効いた気がしない」と感じやすいお薬でした。
2011年1月に上限が見直され、今は1回300〜1,000mgを4〜6時間以上あけて、1日4,000mgまで使えるようになっています[1][2]。

私は、たとえば1回1,000mgを朝と夕方の1日2回、という飲み方で処方することがよくあります。1日1,500mgを超えるので、肝臓の血液検査もあわせて行います。
ところが今も、以前の少ない量のまま処方されていることがあります。少ない量で効きが足りないと感じている方は、量を増やせる余地があるかもしれません。
ただし、ご自分の判断で、処方された量より多く飲まないでください。 量を増やすかどうかは、年齢や体重、肝臓の状態、ほかに飲んでいるお薬を見て、主治医が決めます。「今の量で十分ですか」と、次の診察で相談してください。

オーストラリアで、急な腰痛の方およそ1,600人を、アセトアミノフェンを決まった時間に飲む群、痛いときに飲む群、偽薬の群に分けて比べた大きな試験があります[3]。回復までの日数は、3つの群でほとんど変わりませんでした(中央値16〜17日)。
この試験を含めて研究をまとめた報告でも、急な腰痛では、アセトアミノフェンは偽薬と比べて痛みも生活のしやすさも変わらない、という結論でした[4]。
3か月以上続く腰痛について、アセトアミノフェンの効果をきちんと確かめた研究は、ほとんどありません[4]。効くとも効かないとも、はっきり言えないのが現状です。
膝や股関節の変形性関節症では、効果はあっても小さい、という報告があります[5]。
研究の結果は、多くの人の平均です。「飲むと少し楽になる」と感じる方がいるのも事実で、ほかの痛み止めが使いにくい方にとっては、大事な選択肢です。
大切なのは、「効いているかどうか」を、ご自分の生活で確かめることです。歩ける距離、夜の眠り、家事のしやすさが、飲む前と比べてどう変わったかを見てください。
アセトアミノフェンは、量が多すぎると肝臓を傷めることがあります。添付文書でも、1日1,500mgを超える量を長く飲むときは、定期的に血液検査で肝臓の働きを確かめるよう求められています[1]。
研究をまとめた報告では、アセトアミノフェンを飲んでいた人は、偽薬の人に比べて、肝臓の検査値に異常が出ることがおよそ4倍多くみられました[5]。多くは症状のない検査値の変化ですが、長く飲む方は、定期的に血液検査を受けてください。

アセトアミノフェンは、かぜ薬や市販の解熱鎮痛薬にも、よく入っています。処方のお薬に市販薬を足すと、知らないうちに量が多くなることがあります。添付文書でも、ほかのアセトアミノフェンを含む薬(市販薬を含む)との併用は避けるよう書かれています[1]。

お酒をたくさん飲む方は、肝臓を傷めやすくなります[1]。お酒の量は、正直に主治医に伝えてください。
効きが足りないと感じても、痛いからと自分で量を増やすのは、肝臓のためにも避けてください。増やせるかどうかは、主治医が決めます。やめるときも、ほかのお薬との組み合わせを考えて、主治医と相談しながら進めます。
量を増やしても楽にならないときは、痛みの種類に合ったお薬に変える、運動療法やブロック注射を組み合わせる、などの方法があります。くわしくは痛み止めが効きにくくなったらをご覧ください。
Q. 胃にやさしいなら、空腹で飲んでも大丈夫ですか? 消炎鎮痛薬に比べて胃への負担は少ないお薬です。飲むタイミングは、処方された指示に合わせてください。
Q. 何年も飲んでいます。やめたほうがいいですか? 長く飲むこと自体がいけないわけではありません。肝臓の血液検査を受けているか、効き目を感じているかを、主治医と一度見直してみてください。
Q. ほかの痛み止めと一緒に飲んでもいいですか? 主治医が組み合わせて処方することはあります。トラマドールの配合剤(トラムセット)には、アセトアミノフェンがもともと入っています。重ならないよう、お薬手帳で確かめてもらってください(トラマドールの飲み方と注意点)。
→ 薬物療法:痛みのタイプ別のお薬の選び方
→ お薬について(慢性腰痛):消炎鎮痛薬を長く飲むときの注意
→ お薬手帳は一冊に