「手術やSCSを勧められたけれど、いくらかかるの?」。遠慮せずに確かめてよい質問です。
このページでわかること
- 保存療法と、手術・SCS(脊髄刺激療法)の費用の考え方
- 高額療養費制度の仕組みと、2026年8月からの見直し(2027年8月の第2段階まで)
- 手術・SCSならではの4つのポイント(月ごとの上限・多数回該当・対象外の費用・将来の入院)
- 入院前に準備する「限度額適用認定証」と、マイナ保険証
- 医療費控除・傷病手当金・介護保険と、相談先
手術・SCSを考えるときのお金の話。高額療養費制度の上限額(2026年8月〜・2027年8月〜)、限度額適用認定証、月ごとの上限と多数回該当、対象外の費用まで。
「手術やSCSを勧められたけれど、いくらかかるの?」。遠慮せずに確かめてよい質問です。
このページでわかること
- 保存療法と、手術・SCS(脊髄刺激療法)の費用の考え方
- 高額療養費制度の仕組みと、2026年8月からの見直し(2027年8月の第2段階まで)
- 手術・SCSならではの4つのポイント(月ごとの上限・多数回該当・対象外の費用・将来の入院)
- 入院前に準備する「限度額適用認定証」と、マイナ保険証
- 医療費控除・傷病手当金・介護保険と、相談先
腰部脊柱管狭窄症や慢性腰痛の治療は、保存療法も、除圧術・固定術といった手術も、SCS(脊髄刺激療法)も、すべて健康保険が使えます。窓口で払うのは医療費の全額ではなく、年齢と所得で決まる1割から3割です。
| 治療 | 窓口負担の目安(3割の場合) |
|---|---|
| お薬 | 数百円〜数千円/月 |
| リハビリ | 500〜2,000円/回 |
| ブロック注射 | 3,000〜10,000円/回 |
| 手術(除圧術・固定術)・SCS | 医療費そのものが大きいため、3割でも大きな額になる → 高額療養費制度の上限まで |
保存療法は、年間で見ても数万円ほどが目安です。手術やSCSは医療費の総額が大きくなりますが、支払いには上限があります。それが高額療養費制度です。具体的な金額は、施設・所得区分・時期で変わりますので、病院の医療相談室にご確認ください。
公的な医療保険には、ひと月(1日〜末日)に窓口で払う額の上限が決められています。上限を超えた分は、申請すれば払い戻されます。上限額は、年齢と所得で決まります。
高額療養費制度は2026年8月診療分から見直されました(第1段階)。2027年8月には所得区分がさらに細かく分かれます(第2段階・後述)。
70歳未満の方(月額)
| 所得区分(年収の目安) | ひと月の上限 | 多数回該当(4回目〜) | 年間上限 |
|---|---|---|---|
| 約1,160万円〜 | 270,300円+(医療費−901,000円)×1% | 140,100円 | 1,680,000円 |
| 約770〜1,160万円 | 179,100円+(医療費−597,000円)×1% | 93,000円 | 1,110,000円 |
| 約370〜770万円 | 85,800円+(医療費−286,000円)×1% | 44,400円 | 530,000円 |
| 〜約370万円 | 61,500円 | 44,400円 | 530,000円 |
| 住民税非課税 | 36,900円 | 24,600円 | 290,000円 |
70歳以上の方(月額)
| 所得区分(年収の目安) | 外来(個人ごと) | 外来+入院(世帯合算) | 多数回該当(4回目〜) | 年間上限 |
|---|---|---|---|---|
| 現役並みⅢ(約1,160万円〜) | 270,300円+(医療費−901,000円)×1% | 同左 | 140,100円 | 1,680,000円 |
| 現役並みⅡ(約770〜1,160万円) | 179,100円+(医療費−597,000円)×1% | 同左 | 93,000円 | 1,110,000円 |
| 現役並みⅠ(約370〜770万円) | 85,800円+(医療費−286,000円)×1% | 同左 | 44,400円 | 530,000円 |
| 一般(〜約370万円) | 22,000円(外来の年間上限216,000円) | 61,500円 | 44,400円 | 530,000円 |
| 住民税非課税 | 11,000円(外来の年間上限96,000円) | 25,700円 | 24,600円 | 290,000円 |
| 住民税非課税(所得が一定以下) | 8,000円 | 15,700円 | — | 180,000円 |
読み方の例:70歳未満で年収約370〜770万円の方が、医療費300万円の手術を受けた月 → 85,800円+(3,000,000−286,000)×1% = 約113,000円が、その月の上限です。医療費が大きい手術の月でも、上乗せされるのは1%だけです。
年収約200万円未満の方は、年間上限が410,000円になります(2027年8月以降に払い戻し)。「多数回該当」は、直近12か月で3回以上上限に達した場合の、4回目以降の上限です。
高額療養費は、暦の月(1日〜末日)ごとに計算します。SCSでトライアルを行う場合は本植込みと別々の入院になり、この2つが別の月にまたがると、それぞれの月で上限までの負担になることがあります。同じ月に収まれば1回分です。月末に入院して月初に退院する場合も、2か月分に分かれます。日程を決めるときに、知っておいてください。
直近12か月のうちに上限に達した月が3回以上あると、4回目からは上限が下がります(多数回該当)。トライアル・本植込み・術後の通院など、数か月のあいだに上限に達する月が続く場合に、負担が軽くなります。
入院中の食事代(入院時食事療養費の自己負担)と、個室などの差額ベッド代は、高額療養費の対象になりません。上限とは別に、これらの費用がかかります。大部屋か個室かは、入院前に病院と相談できます。
SCSの刺激装置は、いずれ電池の交換が必要になります。交換のための入院も、除圧術や固定術のあとの再手術も、その月の医療費として同じ仕組みの対象になります。
事前に加入している保険者から「限度額適用認定証」を受け取り、入院のときに窓口で見せると、支払いが最初から上限額までで済みます。
| 加入している保険 | 申請先 |
|---|---|
| 協会けんぽ | 協会けんぽの都道府県支部(郵送可) |
| 健康保険組合 | お勤め先の健康保険組合 |
| 国民健康保険 | お住まいの市区町村の窓口 |
| 後期高齢者医療制度 | お住まいの市区町村の窓口 |
マイナ保険証(マイナンバーカードの健康保険証利用)を窓口で使うと、多くの病院で認定証がなくても同じ扱いになります。対応していない医療機関もありますので、入院が決まったら念のため確認してください。
いったん全額を払い、あとから保険者に申請して払い戻してもらうこともできます。振り込みまで2〜3か月かかることがあります。
| 仕組み | 対象 | ポイント |
|---|---|---|
| 医療費控除 | 1年間の医療費が10万円(所得200万円未満の方は所得の5%)を超えた方 | 確定申告で税金が戻ることがあります。ご家族の分、通院の交通費も合算できます。領収書は取っておきましょう |
| 傷病手当金 | 会社にお勤めで、協会けんぽ・健康保険組合に加入している方 | 入院や療養で働けない期間の生活を支える給付です。条件と金額は加入している保険者にご確認ください |
| 介護保険 | 65歳以上の方(40〜64歳の方は特定疾病の場合。腰部脊柱管狭窄症は特定疾病に含まれます) | 手術のあとの生活でリハビリや介護のサービスが必要になったときに。要支援の段階から使えるサービスがあります |
医療費の総額は大きくなりますが、窓口で払うのは所得区分ごとのひと月の上限までです。トライアルを行い、本植込みと別の月になると上限が2回分になることがある点と、食事代・差額ベッド代が別にかかる点を、あらかじめ知っておいてください。具体的な見積もりは、病院の医療相談室でご自分の所得区分に合わせて確認できます。
あとから申請すれば、上限を超えた分は払い戻されます(2〜3か月かかることがあります)。入院中でも認定証は申請できますので、ご家族に窓口へ行ってもらうこともできます。
一度申請すると、多くの保険者では翌月以降も自動的に判定・支給してくれます(国民健康保険では毎回申請が必要な自治体もあります)。認定証やマイナ保険証を使えば、そもそも窓口での支払いが上限までで済みます。
→ 治療法の詳細比較 — 効果・費用・リスク・長期経過を治療法ごとに整理
→ 脊髄刺激療法(SCS) — 仕組みと、植込みまでの流れ
→ 医師への質問リスト — 費用についての質問も含めた場面別チェックリスト
→ 家族ができるサポート — 介護保険の申請の流れ
この情報は一般的な参考であり、金額は所得区分・医療機関・時期によって異なります。ご自身の区分や手続きは、加入している保険者・病院の窓口・担当医にご確認ください。